5月19日(金)新宮ネットで「移住」を取り上げることを決意し、まずは現状把握のために有楽町交通会館8階にある「ふるさと回帰支援センター」を訪問することにしました。受付で趣旨を説明し和歌山県の担当者に取材ができるかどうか尋ねたところすぐに取り次いでくれました。
会ってくれたのは、「わかやま定住サポートセンター」の移住アドバイザーである芝さん。名刺を渡し、新宮ネットと取材の趣旨を説明すると、アポイントなしの突然の訪問だったにもかかわらず、時間を割いてくれました。聞くと、県から派遣されてこちらで移住希望者に対するアドバイザーとして勤めておられるとのことでした。
本来なら、取材のための質問事項などを前もって用意していくのが当然なのですが、気持ちばかりが先走り、何も準備せずに行きました。思いつくままに聞きたいことをいくつか聞いたのですが、親切に答えてくれました。これならば、移住希望者の方が不安を抱えながら話を聞きに来ても、よい相談ができると感じました。
まずお聞きしたかったのは、最近の移住実績です。新聞やテレビでの報道では、全国的な状況と、特に人気があるような県のニュースしかわかりません。そこで、和歌山県への移住実績を聞くと次のような状況でした。(※但し、他県の統計では、県の支援センターを経由せずに移住した場合も含めているところもあるが、和歌山県の場合は、そのような例は除外し、純粋に支援センターを経由した分だけを参入している。)
最近の和歌山県への移住者数平成26年 86組 171名 |
次に、どの都道府県から和歌山県に移住しているのか、平成28年の移住元を訪ねると次のような結果でした。
移住元平成28年 平成18~28年累計 |
やはり、日本第2の都会から近いこともあり、大阪府がトップとなっています。東京から2時間程度と近くて自然の多いところということで、長野県や山梨県が人気なのと同様の傾向でしょう。
次に、移住者数を年代別に見ると、データは次の通りになっています。
和歌山県への年代別移住者数平成28年 平成18~28年累計 |
この統計で見られる大きな特徴は、以前は、60歳代の団塊の世代が定年退職後に移住するというケースが多かったものが、リーマンショックを境として若い世代に移住希望者が増えてきているということです。
また、全国の移住希望者数(面談・セミナー参加及び電話での問い合わせも含む)の推移をみると、2008年度の全国の移住希望者数が2901名であったものが、2013年度には、10827名と3.7倍に増えています。その時代の経済状況が人の暮らしについての考え方に大きな影響を与えていることが見て取れます。
いずれにしても、このところ、和歌山県には年間100組以上200名ほどの移住者がいるということがわかりました。人口減少と地域の過疎化という大きな問題を抱えている状況下、県民としてありがたいと思うと同時に、地域の活性化のためにはさらに移住者が増えてくれることが望ましいわけです。
そのためには何をすべきか、既に頑張って活動されている支援センター、サポートセンターの方々と共に、われわれ県民も一人一人が何かプラスになることを考えていくことが大切だと思います。少子高齢化が声高く言われるようになって久しいですが、政府もどれほど真剣にこの問題に取り組んでいるのか疑問に思います。
これまでにない人口減という初めての現象で誰もが戸惑っており非常に難しいことではありますが、微力でも、せめて改善策のヒントを求めて考えて行きたいと思います。もし、ご意見なりご提案があれば、新宮ネットまでご一報いただければ幸甚です。
~つづく~
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